もともとモンテッソーリ教育というものが気になって、モンテッソーリとハーバード式を合わせたという本を読んでみました。そこで、多重知能理論というものが出てきたので気になって調べてみました。
多重知能理論(MI理論)
知能を測るときに使うものといえば一般的にはIQ(知能指数)が浮かびますが、これは数学的や論理的な問題解決能力の高さを示すものです。
ですが、知能というものは本当にたった一つの物差しだけで測れるのか?研究者たちも同じように考えてきました。そのうちのひとつが多重知能理論(MI理論)です。
多重知能理論はハーバード大学、認知・教育学の教授であるHoward Gardner(ハワード・ガードナー)さんが提唱した多数の知能です。
8つの知能ではなく10の知能
知能は一つではなく、複数あると彼が述べることで、学習や教育の幅を広げました。人によって得意な分野や苦手な分野があるので、自己効力感やモチベーションを上げるときにも使えそうです。
一般的に8つの知能を紹介されることが多いのですが、実は10つの知能が紹介されています。もともと7つも挙げられると言われましたが後に3つの知能も発見されて、もっとあるかもというのが多重知能理論になります。
- 論理・数学的知能(Logical-mathematical intelligence)
- 言語的知能(Linguistic Intelligence)
- 身体運動的知能(Bodily-kinesthetic Intelligence)
- 音楽的知能(Musical Intelligence)
- 空間的知能(Spatial Intelligence)
- 対人的知能(Interpersonal Intelligence)
- 内省的知能(Intrapersonal Intelligence)
- 博物学的知能(Naturalistic Intelligence)
- 霊的知能(Spiritual Intelligence)
- 実存的知能(Existential Intelligences)
もともとは1983年の「心の構成」で言語的・論理数学的・音楽的・身体運動的・空間的・対人的・内省的の7つの知能が提唱されました。
この本では博物学的知能を加えた8つの知能を紹介されていました。
2001年に出された「MI:個性を生かす多重知能の理論」でさらに、博物的知能・霊的知能・実存的知能といつ3つの知能が追加されています。
なので、実は8つの知能ではなくて10の知能が提唱されています。
論理・数学的知能(Logical-mathematical intelligence)
問題を論理的に分析したり、数学的な問題解決をしたり、問題を科学的に研究する力。仮説検証や因果関係の発見などをするのが得意でIQ(知能指数)に近いイメージです。
数学が得意で原因がどうなっているのか気になり、問題解決が好きな傾向があるため、エンジニア・数学者・経理・科学者などが向いてるとされています。
言語的知能(Linguistic Intelligence)
話し言葉と書き言葉の感受性や言語を学ぶ能力など、言語を操ることに関する知能になります。文章を作ったり、外国語を勉強するときに力を発揮します。弁護士、作家、脚本家など文章を使った仕事に向いています。
身体運動的知能(Bodily-kinesthetic Intelligence)
身体を使って問題を解決したり何かを作り出すので、身体を動かしたり身体を使って表現することが得意な知能です。
運動が得意で手先が器用なため、スポーツ選手や自衛隊の運動系の仕事やダンサーや俳優など身体を使って表現する仕事、職人や外科医、機械工など手先を使った多くの技術が必要な専門職にも向いてるとされています。
音楽的知能(Musical Intelligence)
音楽パターンの演奏や音やリズム、音調などに対する感受性、作曲や鑑賞のスキルをともなう知能になります。
歌ったりリズムに乗るのが好きだったり、絶対音感など音楽に対する得意なものあることが多いため音楽関連の仕事に向いてそうです。
空間的知能(Spatial Intelligence)
広い空間のパターンや限定された範囲のパターンを認識して操作する能力。大きさや距離感、奥行きなどの空間把握できる力なのではないでしょうか。この知能は感覚的な知能なので分かりにくいのですが、絵のうまさにも関係していくと思います。
広い空間のパターンを把握できる能力は航海士やパイロットなど、限定された範囲のパターンを把握できる能力は建築家やデザイナーなどのクリエイター系にも向いてるとされています。
対人的知能(Interpersonal Intelligence)
人の気持ち感情を読み取り、欲求や動機付けなどを理解して対応を取れるコミュニケーションに関する能力。話すのが上手だったり、誰とでも友達になれたり他人の考えが分かったりするので、カウンセラーや指導者、政治家などコミュニケーション力が大事になる仕事に向いています。
内省的知能(Intrapersonal Intelligence)
自分の中にある目標や恐れていることや能力などを理解してる力、自分自身をちゃんと分析して理解し、自分に合ったものを正確に判断できる知能になります。自分について考えることが多くて自分だけの世界観を持ってる人が多いため、哲学者や心理学者、クリエイター系の仕事、経営者に向いているそうです。
博物学的知能(Naturalistic Intelligence)
物事を特定のものにグループ分けして、グループごとにあるものを区別して、それに近いものは何かを遠いものは何か?と関係を把握できる能力です。自然環境などの物事を分類して関連付けする図鑑を作るような知能となります。動物や植物が好きだったり、観察したり整理したり図鑑を見ていのが好きな傾向にあるそうです。
植物学者や考古学者などの博物学者、自然や動物に関係する仕事に向いているそうです。
霊的知能(Spiritual Intelligence)
宇宙の問題について考えることや他人への霊的な影響を与える能力について考える知能になります。人生の目的や幸福の意味をより大きな次元で捉えていて、他人を理解して共感能力が高く、平常心を保つことに長けている傾向にあるそうです。
霊的知能が高い人は社会全体の発展のために何をすべきか理解し、世代を超えて社会全体に気付きを与えられるそうです。例えばブッダやガンジー、マザー・テレサなどが挙げられます。
実存的知能(Existential Intelligences)
宇宙の先ー無限大と無限小ーに自分を位置づけられることで、死の意味や人生を生きるということ、物理的や心理的な世界の究極な運命、人を愛すること、芸術に没頭することなどといった人間らしくあれる特徴と自分を位置づけられる能力のことだそうです。
説明すると難しいのですが、果てしなく広い宇宙の中で自分は確かに生きているんだと感じられることや作品を作ったりする時によくある葛藤など人間だから悩んだり葛藤することを感じ取れる能力ではないてましょうか。
多重知能理論(MI理論)を知ると向き合えそう
今回は本を読んでいて、ふと出てきた多重知能理論というものを調べてみました。能力というものは幅広くあるんだなと再確認できたような気がします。もし苦手なところが先に気になったとしても、その子には何かしら得意なものや集中できるものを10つの知能を目安に見つけやすくなりそうだなという印象でした。
私も子どもの良いところをたくさん見つけて認めてあげたいです